SCENIC/HOOVER DAM/GRAND CANYON RAILWAY/GRAND CANYON NATIONAL PARK(SOUTH RIM)
LAS VEGAS VIA AIRCRAFT/BELLAGIO/PARIS/MIRAGE



































































ベラッジオ

パリス

ミラージュ





写真の詳細



朝5時50分起床、天候良好、気温高し。眠たい目をこすりつつ目覚めてすぐに冷房をつけた。
昨晩のストラトスフィアタワーの展望デッキで冷風に煽られ震えたのが嘘のように思える。
この日は、現地の方に手配していただいたグランドキャニオンへのツアーに行くことになっている。
先日、スーパーで買いだめした食料をむさぼり、歯磨きが終わると、例のように薬を飲んで、いざ出発。
ホテルに迎えのバスがやってくる、それに乗り込みSCENICという建物へ訳も判らず入らされる。
そこでツアー内容の確認とサインをし、それぞれのツアーにあったシールを受け取り、更に乗車するバスを指示された。
バスの座席は写真を撮るには前がよかったので、前から3列目を確保し、グランドキャニオンへ向けて再出発。
ガイドは現地人のバスの運転手と、その助手の日本人が行う。運転手がしゃべったことを、日本人が訳すといったかたちだ。
しかし、バスの乗客の大半は現地人だからか、それとも運転手がおしゃべりなのか、絶えず運転手がマイクを握って離さない。
故に運転手がギャグを一度言おうものならば爆笑の渦が起こるわけだが、英語の判らない僕はさっぱり。
これは流石に悔しいものがあった。虐めとはまた違う、仲間はずれともまた違う、何と表現すればいいものか・・・。
あるいは、運転手が運転をしながら車窓から見える風景の案内を言うのだが、日本人ガイドにマイクを渡した時には既に通過しているわけで・・・。

何はともあれフーバーダム(HOOVER DAM)を望むため、一度バスから下車。
名称は、造られた当時の大統領ハーバート・フーヴァーに由来する。
アリゾナ州ネヴァダ州の州境に位置するコロラド川ブラック峡谷にある。
型式は重力式アーチダムで、高さ221m、長さ379mで、ダム湖はミード湖と呼ばれ、貯水量は約400億トン。
ここで発電された電力は、カリフォルニア州アリゾナ州、などに供給されているそうだ。
この電気の供給が与えた、ラスベガスのホテル等への繁栄はかなり多大だと伺うことができる。

ここからさらに山道を道なりに約10分進むと検問所があり、爆発物などを搭載していないかチェックされる。
ここでもまた同時多発テロ以来の影響を受けているのだ。
検問所というほどたいそうな所でもないが、バスを止め警察官か軍隊かしらないが、制服を着た男が二人ばかりバスの中に乗り込み、
手荷物をじろじろと見渡し、あるいはシート高部の荷物入れを全部開けチェックし、検査が一通り終わり再出発。
その後は大草原に地平線へと続く一本道をただひたすら真っ直ぐに突き進む。曲がり角など全くない。
眠気があるのは確かなのだが、だだっ広い広野の中、あの時きっと眠気よりも自分の存在の小ささに浸っていたかったのだろう。
そんな中、車内ではバスに乗る老婆二人組の一人の方が調度80何歳かの誕生日だったらしく、バスの中で祝いの歌をみなで捧げる。
いかにもアメリカらしい光景だと実感した。日本ではあそこまでわくような歓喜はないだろう。
そして、ひたすら道沿いを進むこと数時間、昼食をとるとのことでバスから下車。店に入りバイキング形式の食事を。
その店のすぐ脇にGRAND CANYON RAILWAYの線路が真っ直ぐに伸びている。
バスに戻る時間は予め指定されていたので、食事そっちのけで外に出ていくつかある車両を写真におさめた。
鎖でつながれた柵を越えて、線路の上から写真を撮っていると、「あぶないぞ」と注意されたことから、未だにこの線路が使われていることが窺える。
実際にグランドキャニオンに着いた時に、その公園内に線路があり電車が走っていたので、今思えばそれがここまで伸びているのかもしれない。

再びバスに乗り込み、途中、トイレを兼ねてお土産屋に寄り、やっとのことでグランドキャニオン国立公園へ到着。
バスを止めガイドさんと共に綺麗に舗装されたコンクリートの道を歩き、ビューポイントへと行く。
そしてバスへと戻る時間を指定され、自由行動になったわけだが、テレビで見るほどの壮大なイメージとは少しかけ離れていた。
というのも、背後には綺麗に整備された公園になっていて、観れるのは柵越しからで、隣りには観光客がわんさかいるし、
記念撮影を頼まれたり、舗装された道を往来する人が激しいものだから、少し興ざめというのが正直な感想。
再びバスに乗り込み、次のビューポイントに移動、そこでまたガイドさんの説明を聞いた後に数十分の自由行動。
日も次第に傾き始め、他の観光客が調度バスに戻っていくのが幸い、ここでは静かにその景観を味わうことが出来た。
かつて平坦だった大地が、7000万年前の造山活動・地殻運動(カイバブ・アップリフト)により流れを変えたコロラド川
峡谷は500万年前にほぼその全容を現し、現在見られるような峡谷になったのは、約200万年前だという。
現在では平均深度およそ1200m(最深地点1800m)・長さ446km・幅6km〜29km・降雨量はサウスリムで年間380mm、最深部では年間200mm、
そして今もなお、侵食は続いているのだ。
と、長々と説明をしたところで、こういうものは百聞は一見にしかず、その臨場感たるもの鳥肌が立つものがある。
観光客が次第に減り、人の声もしなくなったその瞬間、自然のありのままの姿・音・匂いを全身で感じた。
これほど地球の偉大な力を全身に感じたのは生まれて初めてのもので、とにかく筆舌に尽くし難いものがあった。

自由行動が終わると、グランドキャニオン国立公園を離れる。移動距離のほうが数倍長く、公園には1時間居るかいないかだった。
バスは近くのセスナ飛行場へと向かい、バスでラスベガスへ帰る者と、セスナで帰る者とにわけられた。
僕はセスナで帰ることになっていたので飛行場にて下車。偶然にも、全ての日本人観光客が下車した。全てといってもアベックと老夫婦と僕を含めた5人だが。
老夫婦がやたらと声をかけてきた。どうもブルジョワのようで、これまでに行った旅行の話から、息子の自慢まで聞かされたわけで・・・。
こういう時に限って飛行時間が遅れる。そして老夫婦の自慢話は延々と続くのだ。まあ、飛行時間の遅延は後々、吉となってかえってきたわけだが。
老夫婦の話を聞いている振りをして、適当に相槌を打ってはいたが、この老夫婦を含め、目の前のシートに座っているアベックといい、
何となく羨ましい気がした。飛行場とはいえ大自然の中に囲まれたところにある。夕刻というのは何となく憂鬱にさせるものがある。
それがこの大自然の中でのものなのだから、大げさかもしれないがどことなく地球の終焉を迎えた気がして仕方がなかった。
また、僕には何よりも「孤独」というものが頭から離れることはなかった。僕にはまだこの地へ来た事の意味を果たしてはいなかった。
それも全くといっていいほど、この地に来た事の意味を果たしていない。しかしなす術がないのだ。
ない知恵を振り絞ろうとすればするだけ、焦燥感になり空回りになってしまう。僕はいつしか老夫婦の自慢話を打ち消すような言葉を吐きすて、
飛行場の滑走路へと出た。真っ直ぐに伸びる滑走路。そこに乗るであろう小さなセスナ機が幾台か置かれてある。
あの小さなセスナ機がこの滑走路を、それに備え付けた脆そうな両翼でもって飛び立つというのに、僕は立ち止まったままだ。
ただ、飛行時間が来るのを突っ立って待っているだけ。その比喩が余りにも皮肉すぎて胸が痛んだ。

何をしなくとも時間は過ぎる。そして搭乗の時間を迎えた。老夫婦とアベックの後を独りついて歩く。
長い長い滑走路に日が今にも沈みそうになっている。この大自然の中に僕独り。その時、自然と人間の神秘を感じた。
搭乗が終わりプロペラがゆっくりと回転をはじめる。滑走路の真中に移動した飛行機は、エンジンの轟音と共に飛び立った。
シートからコックピットと、操縦士が操縦桿を握っている姿が見える。ふと、親父の子供の時の夢がパイロットだったことを思い出した。
幼少の頃に両親を亡くし、小学生の頃からアルバイト生活をし兄弟の面倒をみてきた親父。
操縦桿を握る後ろ姿を親父の背中に似せてみせたのは、やはり僕は親父のことを尊敬しているからなのだろうか。
あるいは、夢や希望がかなえられずにいる僕と、夢をかなえることのできなかった親父が重複したのだろうか。
長い滑走路を敷いてくれた親父が、僕を大空へと飛ばせてくれるような思いがした。

セスナはちょっとした気流で煽られるようで、ジェットコースターに乗った感覚でふわふわと浮いている気がする。
そんれにしても空から見渡すありのままの大自然というのは、これほどまでに壮大なものなのか。これが自然のありのままの姿なのか・・・。
自然が長い歳月をかけてつくり上げた姿。機内の中なので360度見渡すことはできないが、恐らく360度その自然を見渡せる位置にいただろう。
僕はその大空を確かに飛んでいた。仮にも今いる大地に舞い降りたとしても、僕はなす術もなく呆気なく死に、そして誰にもその死を悟られることもないだろう。
ましてや発作など起こしたところで、なんて事はない、これっぽっちも問題ではないのだ。
それが実際の僕に纏わりつく悩みだとするなら、実にくだらないものに思え、自分の存在の小ささを知った。
次第に日が沈み、ラスベガスに近づくにつれ、大自然とは打って変わった、ギラギラとしたネオンの輝く街が見えはじめた。
僕のいる世界はこっちなのだ。現実にいるのは自然の社会ではなく、人工の社会、一日でそのギャップを味わったのだ。

無事朝にきたSCENICの滑走路に到着し、そこからまたバスで滞在ホテルへと戻る予定だったが、
まだ夜も深けてはいなかったので、滞在先のホテルではなく、夜景を堪能するべくベラッジオで下車させてもらった。
そこで有名な無料の噴水のショーをみることにした。BGMは Gene Kelly の『Singin'n in the Rain』
5万平方メートルともいわれる広大なコモ湖の横幅いっぱいに整然と配置された、
1000機を超えるハイテク噴射装置から芸術的な動きをライトアップされつつ噴水が空高く舞い上がる。
今にも傘を持ち出して踊りだしそうなこの曲にあわせて、噴水がこの曲にあわせて踊るかのように噴射しだす。
何とも幻想的な、ありきたりな例えだが、ディズニーリゾートにいるような、御伽噺の国にいるような感覚がした。

このベラッジオの前の通りを挟んで向かいにあるのがパリス
シンボルにのオリジナルの2分の1のエッフェル塔凱旋門がある。
高さ140mのところに展望台があるというが、ストラストフィアタワーの時のように、荷物検査されるようなら面倒くさいし。
流石に疲れていたし、ストリップ通りのおよそ真中に位置するので、ストラストフィアタワーのように、全貌が見れるわけではないし・・・。
その後、滞在ホテルすぐ近くのミラージュホテルのヴォルケーノ(火山)の無料ショーを見た。
写真では背景がトレジャー・アイランドになっているが、気にしないように。本来はミラージュのものだ。
周囲の水面は「溶岩流」として火が流れ出るように造られていて、火山は30分間隔で火が吹くように爆発する。

とりあえず、これを最後に翌日に備えこの日の観光を終えた。いずれにしても翌日はホテル巡りとしていたわけで・・・。
ホテルに帰り軽くパンを食べ、シャワーを浴びベッドに横たわると、息つく間もなく深い眠りについていた。







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